キミを描きたくて
お互い風呂を済ませて、夜の11時。
ソファーに2人並んで、スマホをポチポチ。
「ふぁ…依茉、眠くないの?」
「…そろそろ寝る時間、ですね」
「今日は一緒に寝ようよ」
そういえばこの前は私が自分の布団、会長が樹の布団で寝ていた。
…布団があるのなら、別々でいいのに。
でも少し、また兄の夢を独りで見るのが怖い。
「…わかりました」
「ふうん、いいんだ。案外ガード弱いよね」
「好きでもない女に、手を出すんですか?」
そう聞くと、そのまま無視をして、1人で私の部屋に行ってしまう。
…どうやら、この類の話はしちゃいけないらしい。
面倒。
美桜ちゃんくらい詮索をしなくて、隼人くんくらい話を聞いてくれる人の方が、私は楽だ。
「遅い」
「だって先に行ったじゃないですか」
「うるさい、口答えしてないで早く寝るよ」
そう言って布団の中で私に背を向ける。
私も同じように、会長に背を向けて目を瞑った。
昼寝をしたとはいえ、やはり体調が悪いのだろう。
少し目をつぶるだけで眠気が来る。
…もう、樹の夢なんて見たくない。