愛は愛より愛し

貰ったなら、返さねばならない。
でも私はこのライター相当の物を返せる自信がない。

そもそも返礼品をする余裕すら私にも家計にも無い。

甘くみていた。高級時計をしれっとつけて、他人の話を聞かない男だ。

『返すくらいなら捨ててどうぞ』

その冷えた声に、熱くなっていた背中がひやりとする。

『俺、金は腐るほどあるから』

いつか、どこかで聞いたことのある言葉。

どこだろう。
どこで……。

『使ってみた?』
「え?」
『ライター。あ、家では吸わない?』

いや、返そうと思ってるものを使うはずがないだろうが。

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