イケメン御曹司の甘い魔法

関根さんは、この後さらに驚くことになる。

着替えとメイクを済ませた私達は、九条社長の主催するパーティー会場に到着した。
そこには、優斗さんが入り口のロビーで待っていてくれた。

このホテルはあえて古き良き時代を感じるレトロモダンな建築だ。
建物の存在感にも圧倒される。

関根さんも、ホテルの入り口で建物の美しさに見惚れたのか、立ち止まって周りを見回している。

「優斗さん、お待たせしました。」

関根さんを連れて、優斗さんに声を掛けた。
優斗さんは、私達に振り返る。

次の瞬間、関根さんはビクッと体を震わせた。

「-------しっ---しっ-----社長!!」

関根さんは、大きく口を開けて驚いている。
目と口が開きっぱなしだ。

そんな関根さんに、優斗さんが優しく話し掛けた。

「関根さんだよね。芽衣からいろいろ聞いてます。今日はよろしくね。関根さんすごく可愛いよ。」

優斗さんの言葉に関根さんは気絶しそうだ。

「藤堂さん、も---も---もしかして藤堂さんのご主人は…社長ですか?」

「うん。黙っていてごめんなさい。」
“えへっ”とお道化て笑って見せた私に、関根さんは驚きのような怒りのような微妙な表情をした。


そこへ九条社長が近づいて来た。

「藤堂、来てくれてありがとう。芽衣ちゃんは今日も綺麗だね…」

関根さんは九条社長の登場にさらに驚いたようだ。
私も初めて九条社長を見た時は驚いたのを思い出した。

端正な顔立ちで、ブロンドの柔らかいウェーブの髪に深いグレーの瞳を持っている。
どこかミステリアスな雰囲気。
これが九条社長を初めて見た時に、私が感じたことだ。

簡単に言えば、ルックスだけは驚くほどイケメンという事だ。

九条社長は、関根さんの存在に気が付いたようだ。
「初めまして、僕は九条です。君は可愛くて初々しいね…」

さらに固まってしまった関根さんを助けるように、優斗さんが話し始めた。
「九条、うちの会社の子をいじめないでくれ。」

関根さんは、顔を真っ赤にして挨拶をした。

「…関根久美と言います。よろしくお願いいたします。」

九条社長は優しく微笑んだ。
「久美ちゃん、パーティー楽しんでね。美味しいケーキもいっぱいあるからね。」



< 107 / 111 >

この作品をシェア

pagetop