【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉


 そう言ってちょっとだけ、藍はニヤニヤしていた。

「……うるさい。く、口が滑っただけよ」

 なんて言ってみても、藍には全く通じないのだけど……。

「へぇ……? 口が滑ったって割には、嬉しそうにしてるけど?」

 なんて言いながら、藍はわたしの顔を覗き込んでくる。

「そ、そんなこと……ないっ」

 そんなことないと、思いたい……。

「何なら透子のこと、俺は今すぐにでも抱きたいと思ってるけどね」

「……え? え、なっ……!」

 だ、抱きたいって……! そ、そんなこと言われると、恥ずかしくなるんだけど……!

「でも透子は今妊娠中だから、まだガマンしとく。 けど透子が赤ちゃんを産んだら、俺はすぐにでも透子を抱くつもりだけどね」

「な、何言ってんの?もう……!」

 と言ってみたものの、藍のその真剣な眼差しには勝てそうにない。

「夫婦の愛を確かめるのは、やっぱり夜の営みしかないだろ?」

「は、はぁ……?」

 夜の営みがなくたって、充分愛は確かめ合えると思いたいけど……。

「透子の体にもしっかり俺の愛を刻み込んでやらないと、透子も寂しいだろ?」
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