【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
【11.藍の元カノ】


「おはよう、透子」

「お、おはよう……」

 昨日何気なく告白?をしてから、藍の溺愛がさらに高まっていた気がした。

「ちょっと、くっつかないでよ……」

 朝から朝ご飯を作るわたしを後ろから抱きしめてくる藍。
 そんな藍を拒否しようとするけど、なぜか逃げられない。

「いいだろ?くっつきたいんだよ、俺が」

「……もう、邪魔なんだけど」

 と拒否するけど、聞いてもくれないようだ。

「今日もハチミツ多めにして、透子」

 そう言われたわたしは「はいはい。分かった」と答えて、フルーツを切った。

「あ、いちご多めがいい。後りんご」

「もう、分かったってば」

 朝からいつもこうやって何が多めとかを言ってくるのが藍だ。ただ、毎日フルーツを食べているおかげで、わたしも肌の調子はとてもいい。
 化粧水の入りもいいし、化粧のりもいいのはありがたいことだ。

「ありがとう、透子。愛してるよ」

「もう、分かったって言ってるでしょ……」

 毎日のように愛してると言ってくる藍。だけどそれもまた、愛は伝わってくるのが分かるから。

「冷たいな、透子」

「うるさい……」
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