【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
「俺の指だから、安心して感じていろ」
「うん……。そこは?」
「……この先に赤子の部屋があって、その部屋に子種が入ると子ができる」
「子が……」
「そうだ。子種を胎に送るために、女はここに男のものを受け入れる」
「男のもの?」
「これだ」

 そう言ってヴォルフはわたしの手を取り、自分の下半身へと導いた。

「これがわたしの中に入るの……?」

 ヴォルフが息を殺して快感を逃している。

「ヴォルフ。あなたも声を出して?」
「声を……?」
「わたしが良くしてるのよね? わたしもヴォルフの気持ちいい声、聞きたい」
「……駄目だ。そんなことを言われたら、我慢できなくなる」

 ヴォルフがわたしの指を引き剥がす。
 次の瞬間、ヴォルフは酷く痛そうな顔をして言った。

「だが、今は駄目なんだ。何も知らないおまえから、処女を奪うことはできない」
「処女を……?」
「……聖女の、初めてを」
「聖女の……」

 優しくて大きな手のひらが髪を撫で、もう片方の手の指がわたしの中で動く。
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