【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
 ただの白狼にしては大きすぎる体と、銀色と言ったほうがいいくらいに神々しく輝く毛並み。
 野生の獣ではないとしても、闇の力をまとうと言われる、凶暴で残忍な魔獣でもないだろう。
 だとすると、ヴォルフは一体……?

 澄んだ黄金色の瞳は、深い知性さえ感じさせる――、かな?

「キュゥン?」

 うーん、それは保留で。
 ヴォルフは絶対、成犬……成狼だと思うのに、甘えん坊すぎない?

「はあ……」

 ちょっとため息を吐くと、ヴォルフはわたしを慰めるように、鼻先で肩をつついた。

「うん、ありがとう」

 わたしはなんとなく、今の苦境をヴォルフに打ち明けはじめていた。こんなことを話せる相手は、もうこの子しかいない。

「女神様はね、わたし達の国を守護してくださっているの。聖女はその加護を受けて、国民を幸せにする役割があるんだって。でもね……」

 国を豊かにするためには、王に女神の加護を渡す必要があること。
 そして、その方法――王に、処女を捧げなければならないこと。

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