私の初恋はクラスの紳士でした。

クラスのあの人。

放課後の帰り道、私は今日も友人の菜帆と由美と会話を弾ませる。

「てか私、彼氏ほしい!!」
「それな！」
「んー、あっ。クラスの優真君を彼氏にしたら頼りになりそうで良さげな感じがする！」
「お〜！いい彼氏さんになりそうですなぁ」

うげ、またその話か。
私に耳障りな話題。
最近できた雑貨屋さんの話で盛り上がってたのに。
毎回毎回、同じ話題をよく喋れるなぁ。
逆に尊敬するわ。

「かのんはどう思うの？！」
うわぁ...急に振ってきた。

「あはは...まぁ、いたらいいんじゃない、かな？...」
こんな時はそれっぽいことを言っとけば誤魔化せる。

「でた！そのセリフ!!w」
「毎回言うよねw」

小学からの友人とはいえ、こういう話をされるとやっぱり無理。すぐに話を切り上げたい。

「ご、ごめん！用事思い出したから先帰るね。」

「え〜！ここから盛り上がるところなのにぃ!!」
「なんだぁ、つまんないの〜」

うるさい。

私には縁がなくて話についていけないだなんて、口には絶対出せない。

私は早足で家に戻るのであった。