聖女じゃないと見捨てておいて今さら助けてとか無理なので、どうぞ放っておいてください!
◆快適な異世界生活「キリカ視点」
「やった♪ これで怒られないで済む♪」
会社の先輩である篠原クミが魔法陣でどこかに転移させられた後、案内された個室でキリカは胸をなで下ろした。
キリカは昔から怒られるのが大嫌いだった。
いつもかわいくて、男性を惹きつけて、守ってもらえるのがキリカ。
学生の時まではそのキャラで通ったが、会社に勤めるようになってからの現実は、甘くなかった。
媚を売っても、にっこり笑ってごまかしても、仕事を真面目にやれと怒られる。
それがストレスで時々仕事を先輩に押しつけて定時で上がり、友達と遊んでうさ晴らししていた。
母の介護があると嘘をついて。でも、その嘘がばれてしまった。
(ストレスがたまってたんだもん。遊ぶくらいいいじゃない)
それまでは笑って引き受けてくれてたのに、嘘がばれて以来残業を引き受けてくれないクミが憎たらしかった。気の弱い婚約者を奪ったのはその腹いせだった。
(私のお願いを聞いてくれないとか、信じられない)
変な世界に来てしまったことは嫌だけれど、聖女様と言われてお姫様扱いされる環境は悪くない。
クミが消えた後、神官たちにカズヤとは別室に案内されたと思ったら、侍女をつけられて綺麗なドレスを着せられた。
そして今、優雅にお茶を楽しんでいる。
まるで貴族のお姫様になったような接待を受けているのだ。
豪華な衣装を着た神官たちが『あなたは聖女様です』と言ってひざまずく姿に、キリカはぞくりとした。
会社でガミガミと偉そうに怒鳴りつけてくる上司くらいの中年男性が、自分にひれ伏している。
なんて素晴らしい光景なんだろう。
昔からお姫様のコスプレなどするのが好きだったキリカにとって、今の環境はある意味幸福の時間といえなくもない。
キリカは深く考えていなかった。
魔の森に飛ばされた先輩がどんな悲惨な目にあうかなど、想像すらしていない。
ただ、怒られたことがおもしろくなくて、仕返ししてやったくらいにしか思っていなかったのである。
その愛嬌とかわいい容姿だけで、いつもつらいことから逃げてきた彼女にとって、日常茶飯事だった。恋人を奪って嫌がらせするのも、かわいいとチヤホヤされるのも。
目の前にはカズヤなんかより、カッコイイ神官服の男性がズラリと並んでいる。
もうあんなお古はいらない。どうせ、クミに嫌がらせをするためだけに近づいた男だもの。
カズヤとはもう二度と会いたくないって神官の人に伝えておけばいい。
今までありがとうございました先輩♪
そう思いながらキリカはおいしい紅茶を飲み干すのだった。
「やった♪ これで怒られないで済む♪」
会社の先輩である篠原クミが魔法陣でどこかに転移させられた後、案内された個室でキリカは胸をなで下ろした。
キリカは昔から怒られるのが大嫌いだった。
いつもかわいくて、男性を惹きつけて、守ってもらえるのがキリカ。
学生の時まではそのキャラで通ったが、会社に勤めるようになってからの現実は、甘くなかった。
媚を売っても、にっこり笑ってごまかしても、仕事を真面目にやれと怒られる。
それがストレスで時々仕事を先輩に押しつけて定時で上がり、友達と遊んでうさ晴らししていた。
母の介護があると嘘をついて。でも、その嘘がばれてしまった。
(ストレスがたまってたんだもん。遊ぶくらいいいじゃない)
それまでは笑って引き受けてくれてたのに、嘘がばれて以来残業を引き受けてくれないクミが憎たらしかった。気の弱い婚約者を奪ったのはその腹いせだった。
(私のお願いを聞いてくれないとか、信じられない)
変な世界に来てしまったことは嫌だけれど、聖女様と言われてお姫様扱いされる環境は悪くない。
クミが消えた後、神官たちにカズヤとは別室に案内されたと思ったら、侍女をつけられて綺麗なドレスを着せられた。
そして今、優雅にお茶を楽しんでいる。
まるで貴族のお姫様になったような接待を受けているのだ。
豪華な衣装を着た神官たちが『あなたは聖女様です』と言ってひざまずく姿に、キリカはぞくりとした。
会社でガミガミと偉そうに怒鳴りつけてくる上司くらいの中年男性が、自分にひれ伏している。
なんて素晴らしい光景なんだろう。
昔からお姫様のコスプレなどするのが好きだったキリカにとって、今の環境はある意味幸福の時間といえなくもない。
キリカは深く考えていなかった。
魔の森に飛ばされた先輩がどんな悲惨な目にあうかなど、想像すらしていない。
ただ、怒られたことがおもしろくなくて、仕返ししてやったくらいにしか思っていなかったのである。
その愛嬌とかわいい容姿だけで、いつもつらいことから逃げてきた彼女にとって、日常茶飯事だった。恋人を奪って嫌がらせするのも、かわいいとチヤホヤされるのも。
目の前にはカズヤなんかより、カッコイイ神官服の男性がズラリと並んでいる。
もうあんなお古はいらない。どうせ、クミに嫌がらせをするためだけに近づいた男だもの。
カズヤとはもう二度と会いたくないって神官の人に伝えておけばいい。
今までありがとうございました先輩♪
そう思いながらキリカはおいしい紅茶を飲み干すのだった。