聖女じゃないと見捨てておいて今さら助けてとか無理なので、どうぞ放っておいてください!
◆ ~わんこ(フェンリル)たちの会話~               


『主様はなんとおっしゃっていたのダ!?』

 デルの弟、ベガが聞くと、デルはキリッとした表情で『安全な場所をご所望らしい』と、通訳した。

 デルも人間の言葉すべてがわかるわけではないが、ほかの二匹よりは知識がある。

『安全? この森に安全な場所なんてないヨ! 宝珠から出ている闇の魔力があるから、人間なんて三日で呪われちゃうヨ!?』

 兄弟の一番下のアルが答える。

 デルたちの目の前にいる異世界の女性は、呪いを解き、彼らのモンスター化を防いだ救世主だ。
 すでに三匹の中では、彼女は自分たちが仕えるべき主だと決めていた。
 忠誠を誓い、主従関係を結んだ状態になっている。

『ふむ、そうさな。まずは宝珠の闇を排除することが先だ。
 そうすれば主様も闇に冒されることもない。
 今のところ、主様はスキルがあと二回使える。
 スキルで呪われた『起源の宝珠』をもとに戻してもらう』

『すごいヨ、すごい! 森、もとに戻るの?』

『ああ、主様の呪いを解く力は、原初の人と呼ばれたゲームマスターのものと酷似している。
 おそらくできるだろう。
 主様が呪いを解いてくだされば、この森は救われる』

『早速案内するのダ』

 ベガがうれしそうに尻尾を振ると、アルもうれしそうにぴょんぴょん跳ねた。

『するヨっ、する! 森がもとに戻るー!』

 三匹はパタパタ尻尾を振りながらクミを案内するのだった。
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