スペシャル企画 儚く甘い 番外編追加しました
願い続けた日々はあっという間に1か月がすぎた。
紗那はやっと退院が決まった。

切迫流産と診断されてから、紗那はつわりがはじまり一時は口から水分もとれないほど衰弱してしまった。退院は紗那の体調だけじゃなく、精神的に安定してからと、長引いた。母子手帳を無事に手にできたとき、紗那の精神状態は急激に落ち着いた。

俺はレストランの仕事を【GREEN】の経営者に相談して、シェフを新しく雇った。昔から俺の挑戦を支えて応援してくれている存在に改めて感謝しながら、俺は【WHITE】の味をそのシェフにも覚えてもらった。
これからどんなことが待っているかわからない。俺の都合に合わせてお客様に迷惑をかけることは避けられる状況にできた。

病室から俺は家に戻り、シャワーと着替えを済ませてレストランへ出勤し、病院に帰宅する毎日を送りながら、紗那が食べられそうなものを作る。
驚いたのは急に紗那が苦手なトマトを食べたいと言ったこと。妊娠は不思議なことの連続だ。

つわりも落ち着いて、精神的にも紗那はかなり落ち着いた。
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