悪役令嬢の復讐マリアージュ
「別に支持率で勝てって言ってるわけじゃない。
ただ、あなたが社長に就任した時。
彼なら異論はない、そう思ってもらえればいいだけ。
そしてその手段は、専務とは違う土俵よ」

「……なるほど。
で、俺はどうしたらいいわけ?」

そこで私は手段の説明に移った。
うちには4つの部署があり。
楓くんが入社以来籍を置いてる企画・開発部では、すでに多大な功績を残してるからいいとして。
まずは従業員の大半が属する製造部の、本社工場で肉体労働をしてもらう。
橋元家の婿になった男が、しかも製造しているものを開発した本人が、他の部署より下に見られがちな工場で、汗水流してコツコツと働く姿は、多くの作業員達の心を打つだろう。

その次は営業・販売部に配属して、今度は取引先の心を掴んでもらう。
その指標は売上成績として反映され、上位に入れば多くの営業マン達が、それに至った努力と実力を認めざるを得ないだろう。

最後は会社の中枢を担う私の部署で、経営管理をしっかり学んでもらう。
さらにはそれを基に配属先での経験を活かして、お世話になったお礼にそれぞれの部署がもっと働きやすくなるよう、身を粉にして尽力すれば、多くの従業員達の信頼を得るだろう。
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