ときめきの香りは貴方ですか?
今日は城崎さんに胸が高まりっぱなしだ。
胸がきゅっとなり、どきどきした瞬間
「壁ドンってこんな感じなのかな・・・」
顔をあげると、目が合った。

「顔赤いけど、大丈夫?つらくない?」
直ぐに私は下を向き
「あっ、あの、これは人混みでちょっと暑いだけですから・・・大丈夫です」
と答えた。

男の人をこんなに近く意識したことがなく、気持ちが追いつかない。
まして、いつもあんなにクールな口調の城崎さんなのに、今日は違う。

電車は混み合っていて、駅に着いて人が降りても、また乗って来た。

電車が大きく揺れた時に、私がよろめくと、城崎さんが私を支えてくれた。

「大丈夫?」
「すみません、城崎さんも大丈夫ですか?」
「あぁ、風谷さん支えるくらい大丈夫だよ。俺の腕、掴んでて」

城崎さんの腕を掴んでるので、倒れないようにはなったけど、胸の体温を感じるほどに近くどきどきする。
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