ときめきの香りは貴方ですか?
「城崎さんのお話聞いていた時、こう、映像が頭に浮かんで、心が震えました」

城崎さんは満面な笑みを浮かべて
「そう、そんなに褒めてくれると思わなかったから。来てもらって良かったよ」

「2人もいつか城崎さんみたいにできるんでしょうか。なっちゃんはできるとしても、龍太にあれだけのことができるか、想像ができませんけど・・・」

私は、龍太を今日の城崎さんに重ねた時、イメージが違うので想像ができなかった。
「そうだね、三嶋は俺とは違うタイプだからね。でも、俺では通らなくても、三嶋なら通る、三嶋しかできないこともあるんだよ。中河さんも同様にね」

「なんか、嬉しいです。同期が認められるって。私、今までそう思える人、いなかったですから」

「また一緒に行ってよ。永富さんに怒られるかもしれないけど」
「是非、お願いします。永富さんにご迷惑かけないように総務の仕事も頑張ります」

「よしっ!俺もやる気出てきた!何としても、今日の案件、取りにいくから」

私は城崎さんの今日のプレゼンの内容を色々質問すると、城崎さんは快く応えてくれて、わくわくした。

ただ・・・ふと頭をよぎるあの寄木部長の目線。
でも思い込みかもしれない。せっかく城崎さんがこんなに熱意をもって手がけている仕事だ。

あの総務部長のことは黙ってよう・・・
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