ときめきの香りは貴方ですか?
配属されてから、必死だったので、歓迎会のことなど頭に無かった。

久木さんから
「そう言えば、今年歓迎会してないわよね。そうだ!制作部も今落ち着いたし、やりましょ!私、永富さんと城崎さんに声かけるわね」
久木さんはノリノリで段取りをしてくれた。

制作部から城崎さんと中間さん、総務部から永富さんと久木さん、そして新入社員3人のメンバーで歓迎会をすることになった。

永富さんは、静かに皆の話を聞いて笑っている。

久木さんはお酒が入ると思いの他陽気で、今までの会社のことを話してくれた。

なっちゃんと龍太は夫婦漫才みたいに皆を和ませて、そこに中間さんが合いの手を入れている。
最後に城崎さんのトドメがあるって感じ、制作部の仕事場もこんな感じなのかもしれない。

もうそろそろ、デザートタイムだなと思っていた時、かなり酔っ払ってた龍太が、
「聞いてくださいよ~愛里ちゃんねぇ、面接の日、うちの従業員の人に声かけられて~初恋みたいですよ~」
「そ、そんなこと言ってないです」
「だってさぁ~どきどきしたって言ってたよ~今でもその人がつけてた、え~、そう、香水の香りにどきどきするって」
「でも、初恋とは言ってないし・・・」
私は恥ずかしくなって、下を向いていた。
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