ときめきの香りは貴方ですか?
と、泊まり?
今の状況だけでも、頭がふわふわしてるのに、急な展開についていけない。

「何か約束あった?」
「いえ・・・無いんですけど」
「けど?」
「急だったものですから」
「じゃあ、大丈夫だよね」

最後に額にキスをして、運転席からおりて、助手席のドアを開けてくれた。

「じゃあ、また明日ね。気をつけてね」
私が帰る姿を見送ってから、城崎さんは帰っていった。

家に帰った私は、唇を触って、さっきの熱を思い出していた。
「色々ありすぎて、心と体が追いつかないよ・・・」

私はそのままベットに吸い込まれるように横たわって、眠りに落ちてしまった。

「う~ん、昨日そのまま寝ちゃったよ」
私は寝返りをうって、また眠りに落ちかかったとき、昨日の記憶が蘇った。

がばっと、ベットから起き上がり、
「そうだ、昨日私・・・」

思い出すと自分でも信じられず、両手で顔を覆い、布団にうずくまった。

体中が熱くなる。
城崎さんの声と顔を思い出すと、胸がきゅっとする。

時計を見ると、8時だった。
昨日お風呂も入らず寝てしまったから、まず、お風呂に入って落ち着こう。

「そうだ、泊まりって言っても・・・お父さんとお母さんに何て言おう・・・」

お泊まりする友達って今まで居なかったから、昔の友達ってわけにはいかない。

なっちゃんにしようか。
でも、私の嘘になっちゃんを巻き込むわけにはいかない。
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