ときめきの香りは貴方ですか?
優也さんは抱きしめていた手を解き、私の顔を見たかと思うと、そのまま床に寝かせて
「俺の愛里への愛情、やばいかも」
優也さんの瞳はぞくっとするほど熱を感じる。

首筋に何度も口づけされる。くすぐったいような感覚で体が熱くなる。

しばらくして唇が離れて、私の顔を見つめた。

「愛里?昨日、俺と神田さんと一緒に話してる時、本当はどう思ったの?」
「・・・」
「ねえ、正直に教えて」
「・・・胸がざわつくというか、もやっというか・・・優也さんと仲良くしないでって」
「・・・そうか・・・良かった。俺ばっかりじゃなくて」

そう言って、鎖骨の下辺りにキスをしたかと思うと、何度かチクッとする痛みが走る。

「しばらく、服、気をつけないとね。洗面所、行って見ておいでよ」
優也さんは笑いながら、私を起こして、ソファに戻った。

何があったの?洗面所の鏡を見ると、いくつか赤みを帯びたあざみたいなのができていた。

「これって、キスマーク?」

慌てて戻って優也さんの顔みて
「月曜から、首元開いた服着れないですよぉ」
「俺を妬かすからだよ」
そういいながら平然とコーヒーを飲んでいた。

夕方まで、城崎さんに今まで手がけてきた仕事の映像や資料を見せてもらった。
城崎さんがどんな思いで仕事をしているのか、熱意が伝わる。

私が無意識に優也さんの横顔を見つめていると
「どうしたの?」
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