ときめきの香りは貴方ですか?
「えぇ、ただ、あなただけは許しませんよ。あなたが私の部下を待っている間に、社長、つまりあなたのお父様にはご挨拶しました。イベントのこと、中断させてることもご存じなかったようですね」
「そ、それは・・・」
「もちろん、あなたが私の部下にしたことも全部話しました」
「な、何を証拠にそんなこと言うんだよ。彼女の作り話だ」
「これを聞いても、まだ、そんなこと言えますか?」
「・・・・・誰にも言わずあなただけで来てください・・・・・」
「・・・」
「警察でもマスコミでもどこでも行きますよ。残念ですね。同じ立場として分かり合えると思っていましたが、もう2度と一緒にお仕事できないなんて・・・あぁ、これ、社長にもお聞かせしてますので。肩を落とされて、私に土下座して謝罪されましてね。うちの部下にも謝りたいって、電話で謝罪してましたよ。りっぱなお父様ですね。今回は社長に免じて、一旦引き下がります。でも、もしちょっとでも部下に関わったり、うちの会社にちょっかい出して来た時は、容赦しませんよ。全力で立ち向かいますんで。じゃあこれで」
「・・・う、うぅ・・・」

「永富さん、冷静に切れてるから余計怖いですよ」
「殴り飛ばさなかっただけ、褒めてくれよ。僕は城崎が手を出さないか心配だったけど?」
「あぁ、手のひら血が出るんじゃないかってくらい、拳握りしめてましたけど」
「彼女の笑顔が見れたら、僕はそれだけでいいんだよ」
〜〜〜〜〜
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