水鏡
「どういう、ことなの?」
「あなたは私たちのぶら下げた餌に引っかかってくれた獲物よ」
「餌? 獲物? どういうこと?」

 女の子の言っていることが分からず、聞き返す。女の子は溜め息をついて説明を始めた。

「はぁ。全くバカな子。貴女が聞いた湖の噂は主様のご馳走を呼び出す為の罠よ。私たちは噂を広めて主様に人間を献上する存在なの」

 するり、と女の子は私から腕を離して岸に上がる。

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