水鏡
 背中にピトリと誰かに抱きつかれ白い腕が私を羽交い締めするが、腕にも体にも体温を感じられない。

「は、離して‼︎ あ、あんた何者なの⁉︎」
「ふふっ。私は『水原美華』よ。『美人で性格も明るく、頭も良い。誰からも愛される愛嬌を持っている子』よ」

 女の子から逃げようともがく私を制し、女の子は楽しそうに答える。
 ……それは私の名前で願った事だ。

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