甘い毒に溺れ堕ちて
「ごめん、うるさくて」

【ううん、全然。じゃあまた明日】

「あっ、ちょっと待って」



電話を切ろうとする彼を慌てて呼び止める。



「お弁当のおかずだけど、何がいい?」

【希望聞いてくれるの?】

「体質的に食べられないものがあったらいけないし。入れてほしいものとかあったら聞くよ」



休日出勤させられて腸が煮えくり返ってるけど。

できることなら嫌いなものを詰め込みまくって絶望させたいけど。

反撃を食らって心底後悔し、さらに頭を悩ませる未来が見えているから。


今後の学校生活にこれ以上荒波を立てないためにも、ここはあえて好物を詰め込んで、好感度と信頼を得る作戦でいく。



【アレルギーはないけど、苦い物はちょっと。ピーマンとかゴーヤとか】

「苦い物がダメね。好きなものは?」

【海藻。海苔とか昆布とか、ひじきも好き。あとは魚。特に煮魚が好き】

「海藻と煮魚が好き、っと……」
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