甘い毒に溺れ堕ちて
分別する彼を想像していると、リビングから晴月の叫ぶ声が聞こえた。



【今の声、双子ちゃん?】

「うん。ちょうど今、アイクラがテレビに出てて。それ観てるの」

【双子ちゃんも好きなんだ。早起きだね】

「日曜は好きな番組があるから7時には起きてるの。はる……弟はそこまでじゃないんだけど、妹が熱狂的なファンでね。だいぶ興奮してたから電話しても聞こえづらいだろうなと思って、私も今洗面所にいるの」

【えっ、真彩ちゃんも?】



わかりやすく、声がワントーン上がった。


きっと今、洗濯物を持ったまま、目をまん丸に見開いてるだろうな。

そして、嬉しそうに目を細めたら、「なんか運命みたいだね」って、甘い笑顔で囁いたりして。



【自分の部屋ならまだしも、洗面所って。運命感じちゃうんだけど。やっぱ真彩ちゃん、俺のこと好きなんじゃない? 俺が洗濯してるって誰かから聞いたでしょ】

「聞いてません。こんな朝っぱらから、そもそも誰に聞くの」



予想的中。キザ度と自惚れ度の高いセリフが出てきた。

再び晴月の黄色い声と、「もう! きこえないって!」と晴日の怒る声も聞こえてきて、苦笑いを浮かべる。
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