甘い毒に溺れ堕ちて
「腹減った……」

「もう4時半だし、何か弁当でも買ってくるよ。何がいい?」

「肉。ステーキかカツ丼か唐揚げがいい」



魚派だが、今はとにかく高カロリーのガッツリしたものが食べたい。

いくつか候補を言うと、父はトートバッグと財布を持って近所のスーパーへ出かけていった。


このまま目を閉じて一休み……したいところだけど、時刻は夕方。そうのんびりはしていられない。


キッチンに向かい、食品棚からパックご飯を出して、電子レンジで温める。

その間にやかんに水を溜め、コンロにかけて沸騰させる。


──ピピピピ、ピピピピッ。



「うわっ、もうこんな時間」



湯呑みにお茶を注いでいたらスマホのアラームが鳴った。

作業を中断して外に出ると、ちょうど白いワンボックスカーが家の前に停まった。



「こんばんは。成見 華子様のご自宅でお間違いないでしょうか?」

「はい。今日もありがとうございます」
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