甘い毒に溺れ堕ちて
土産話
「──それで弟が投げたら、ちょうど襖が開いてさ。じいちゃんの顔にボフッて当たって」

「えええ、なにそのギャグ漫画的タイミング」

「おじいさん、大丈夫だった?」

「うん。転びはしなかったから。『なにやってるんだ! 危ないだろ!』って叱られちゃったけどな。で、そのままじいちゃんも参加して5人で戦った」



連休明けの登校日。

登校する生徒に挨拶しながら、3人で秘かにお土産話に花を咲かせる。



「おじいちゃん入れて5人なら、従兄弟くんたちは2人?」

「うん。1個下と3つ下。高1と中2。どっちも男」

「男の子4人かぁ〜。めちゃめちゃ激しそう」

「下手したら障子破れそうだよね。従兄弟は男の子だけ?」

「いや。1人女の子がいる。けど小学生で1番年下だから点数係してもらってた。メモ帳に正の字で書いてもらってさ。最終的には、途中参加したじいちゃんが優勝した」



まさかのオチに思わずふふふっと笑みが漏れる。


孫が相手でも真剣勝負だ! みたいな? にしても枕投げの点数係って。

でも参加したらちょっと気を遣われそうだよね。力の差とか体格差とか。怪我させたらそれこそ叱られそうだし。
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