甘い毒に溺れ堕ちて
それから毎年。時には祖父の手から受け取るようになった。


額は年相応。だけど、毎月のお小遣いよりもちょっぴり多くて。

家族にバレないように、帰ってすぐ巾着袋に入れて、鍵付きの引き出しにしまってたっけ。


たくさん可愛がってもらった。
こっちが照れくさく感じるくらい甘やかされた。

高校生になった今も、程よい距離感で温かく見守ってくれている。


充分幸せだけど……欲を言うなら、平等に愛されたかったな。



「やっぱ初孫は特別なんだなー」

「今までもらった中で1番高いのってどんなだっ……」

「おはようございまーす」



気だるげな低音ボイスが、茉耶の声を遮った。

声がしたほうを見たら、自転車を押しながら歩く藍くんの姿が。



「おはようございますっ。当番お疲れ様ですっ」



私たちを見つけるやいなや、パアッと表情を輝かせて駆け寄ってきた。



「成見くん、おはよう〜」

「おはよう! めちゃめちゃ早いじゃん」

「みんなに会いたくって。30分早起きしてかっ飛ばしてきた」
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