甘い毒に溺れ堕ちて
ストレートすぎるセリフとあどけない笑顔。

周辺の女子生徒たちから、「きゃー」と小さく黄色い声が上がる。



「おはよう。真彩ちゃん」

「おはよう。藍くん」



夏目くん、茉耶と続いて、私の前にやってきた。


顔には汗1滴見当たらず、かっ飛ばしてきたとは思えないほど爽やか。

髪の毛もサラサラで眩しくて。唯一変わったとするなら、根元が少し黒くなったくらい。



「ん? 俺の顔に何か付いてる?」

「ううんっ。なんか、現実味が湧かないというか、夢見てるのかなって」



首を傾げた彼に慌てて返答する。


だって普段の20分も前に来てるから。ここまで早いのは初めてだから見慣れないんだよ。

それと……なんとなく、声が弾んでるというか。

笑顔も、さっき2人に向けていたものとは若干違って、瞳孔が大きく開かれているように見える。



「本当に、藍くんだよね?」

「そうだよ。正真正銘、成見家の藍くんだよ」
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