甘い毒に溺れ堕ちて
長々と言い訳をし、「次、真ん中」と指示を出す藍くん。


そんな馬鹿な。掃除程度で大げさでしょ。

何も知らない人には絶対信じてもらえなさそうだけど、みんなが連休を満喫してる間、休日返上で働いていたのは確か。

モーニングコールした時も洗濯機回してたし。大掃除以外にも家のお手伝いで忙しいのかもしれない。



「だから私に頼むんだね」

「そういうこと。家だと誰もやってくれないから」



毎日してても手が届かない場所だと限界があるよね。

それに共働きなら、あっちもあっちで疲れ溜まってそうだし。頼みたくても頼みづらいか。



「真彩ちゃんは何かやってるの?」

「お風呂上がりのストレッチと、毎週土曜に、茉耶と2人で散歩してる」

「へぇ。だいたい何分くらい?」

「1時間、長くて2時間かな。天気が悪い日以外は毎週行ってる。今回は予定あったからなしだったけど」

「旅行に行くって言ってたっけ。新幹線で行ったの?」

「いや、車で。うち6人もいるし。渋滞避けるために朝の6時に出発したんだけど、弟と妹のテンションが高くって。お父さんも鼻歌歌いながら準備しててね……」
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