甘い毒に溺れ堕ちて
母は晴月、風斗は晴日のトイレに付き添っている時。

待合スペースのソファーでルートを確認している最中に、突然白い封筒を渡された。



『いつもみんなを支えてくれてありがとう。お父さんからのささやかなご褒美だ』

『美味しいものでも、洋服でも、友達とのおでかけにでも、好きに使いなさい』



太っ腹に、1万円。

使いやすいように、万が一見られても怪しまれないようにと、全て1000円札でくれたのだ。



「嬉しくて飛び跳ねそうになっちゃって。移動中もひたすら景色見て、必死にニヤニヤ抑えてた」

「1万円はでかいよな。お年玉もらうようなものだし」

「そう! 毎年もらっても半分回収されてたから。丸々全額もらえたのは初めてで」



その臨時収入のおかげで、お土産は無事購入。

自分用には、ご当地キャラコラボのシャーペンとポーチを。

夏目くんと茉耶にはお煎餅、藍くんにはお饅頭を選んだ。



「優しいお父さんだね」

「うん。旅行から帰った後も、はる……弟2人の希望でお寿司屋さんに連れていってくれたの」
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