甘い毒に溺れ堕ちて
さりげなく気遣いができて、相手の立場になって考える事ができて。

当たり前を当たり前と思わず、素直に感謝を伝えることができる。


そんな思慮深くて優しい父のことが、私は大好きで、心から尊敬している。



「お寿司かぁ〜……」

「藍くんは、こどもの日は何か食べた?」

「特に何も。朝はパックご飯とインスタントの味噌汁で、昼と夜はこいのぼりのシールが貼られたスーパーの弁当を食べた」

「……そうなんだ」



気の毒すぎて、かける言葉が見つからず。当たり障りのない言葉を返した。


自由時間があっても、疲れてたら外食する気力も湧かないよね。でも、お弁当を食べる元気は残ってて良かった。

……ちまき、食べられなかったのかぁ。


上半身を揉みほぐしたところで、少し休憩を取ることに。長椅子に藍くんと横並びで腰かける。



「話変わるけどさ」

「うん?」

「挨拶当番中、人が来ない間は何話してるの?」
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