甘い毒に溺れ堕ちて
「うん、今日もいい眺め」

「そうですか」

「あー、横になったらまた眠くなってきた。今の時期って異様に眠くなるよな。真彩ちゃんは眠くならない?」

「なるよ。春休み中はほぼ毎日眠気と戦ってたし」



肌寒い日があったり、ぽかぽか陽気の日があったりと、何かと気温が不安定な春。

連休中も、天気は安定してたけど、朝晩と昼間の寒暖差が大きくて、旅行中も含めて毎日仮眠を取っていた。



「真彩ちゃんも睡魔に襲われることあるんだ」

「たまにだよ?」

「授業中に眠くなったことある?」

「あるある。昨日も4時間目から半分まぶた下がってたし。手の甲つねりながらテスト範囲メモしてたもん」



左手で右手の甲をつねって、「こんなふうに書いてた」と再現する。


来週の月曜から始まる中間テスト。

進級して最初のテストというのもあってか、みんないつも以上に真剣に授業を聞いていて。

校内でも、すれ違う人たちの口からは「数学」「英語」「物理」といった教科のワードが出ており、連休の余韻を消し去るように、学校全体が勉強ムードに包まれている。
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