甘い毒に溺れ堕ちて




チャイムが鳴り、3時間目の授業が始まった。

教科は英語。担当の先生は40代半ばの女性で、中学生の娘さんと小学生の息子さんがいるらしい。



「私の授業では、毎時間小テストを行います。今日は初日なのでしませんが、明日から始めるので忘れないでくださいね」

「それって何問ありますかー?」

「10問です。単語がメインなので、そんなに気構えなくて大丈夫ですよ」



すかさず口を挟んだ藍くんに、先生が丁寧に回答する。


毎回やるのか……。

進学校だから日常茶飯時とはいえど、テストはテスト。たとえ10問でも、週に30問も解くなら定期テストの問題数となんら変わりない。

でも、3日とも1時間目じゃないことが救いだ。


ペンケースからシャーペンを取り出して、ノートにメモする。

……あれっ? なんで。

カチカチカチと何度ノックしても、一向に芯が出てこない。おかしいな。さっきまで使えてたのに。



「では、授業を始めます」



先生が黒板に英文を書き始めた。

しょうがない。ここは一旦諦めて授業に集中しよう。



「えぇ……」
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