甘い毒に溺れ堕ちて
絶望的状況に追い込まれ、思わず嘆きの声が漏れた。

シャーペンが使えなくなった時に備えて鉛筆を忍ばせているのだが、あろうことか、削るのを忘れていたようで、全部芯先が真ん丸。


鉛筆削りは……そうだった、昨日削りカスをゴミ箱に捨てた後、机の上に置きっぱなしにしてたんだった。



「……茉耶」

「ん?」

「ごめん、シャーペン貸してくれない?」



先生が背を向けている隙に助けを求めた。

忘れ物とは無縁の生活を送っていた私が、他人に物を借りる日が来るなんて。今朝の登校といい、衝撃でしかないのに。



「いいよ。これで大丈夫?」

「うん。ありがとう」



顔色一つ変えず、二つ返事で了承してくれた茉耶。

小さくお礼を言って受け取り、急いで板書を書き写した。








「ほんっっとうに、ありがとうございました」



授業終わり。深々とお辞儀して茉耶にシャーペンを返した。



「いえいえ〜。シャーペン、壊れちゃったの?」

「なのかなぁ……」
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