甘い毒に溺れ堕ちて
本当はもっと、カラフルな服が着たい。
ミニスカートやショートパンツも穿いてみたい。

けど、藍くんみたいに華やかでもなければ、茉耶みたいに可愛げもないから。


毎回お店に寄るたびに手に取ってはいるけれど、今の生活を考えると何かと不便だから、結局鏡の前で合わせるだけで終わっちゃうんだよね……。



「それを言うなら真彩ちゃんもだよ」



はぁ、と小さく溜め息をついていたら、藍くんが私の目線に合わせて体を屈めてきた。



「この際だから言うけど、真彩ちゃんは綺麗さと可愛さを兼ね揃えた、いいとこ取りの美人さんなんだからね?」

「いいとこ取り、なの?」

「うん。ファッション的に言えば、クール系もフェミニン系もいけるってこと」



真剣な目で私を見据えている。

どうやらお世辞ではなく本心からの発言の様子。



「今日は学校で見てるのと同じ色だからそこまで緊張はしなかったけど、他の色だったら勉強どころじゃなかったと思う」

「例えば、どんな色……?」

「赤とかピンクとか、紫とか。柄物なら無地と小花柄が最強かな。小さめのドット柄も似合いそう。素材はレースとかニットみたいな柔らかいもので……」
< 149 / 213 >

この作品をシェア

pagetop