甘い毒に溺れ堕ちて
あぁ、また始まった。おしゃべりスイッチが入った彼に苦笑いを浮かべる。


図書館を提案して正解だった。

昨日と一昨日は、休憩を挟むたびに『真彩ちゃんが家庭教師だったら……』『学校の先生だったら……』って、妄想大爆発させてたから。



「デート、どんな服で来てくれるんだろう。楽しみ〜」

「あ、もう決まった?」

「まだ。行きたい場所はたくさんあるんだけど、なかなかまとまった時間が取れる日がなくて」



顔の前で両手を合わせ、「もう少し待っててくれる?」と申し訳なさそうにお願いされた。

大丈夫。今言われて思い出したし。私も今月の休みは細切れでしか空いてないから。



「ほんとごめん」

「ううん。ちなみに、候補は何個くらいあるの?」

「ざっと10個。映画、カフェ、ピクニック、夜景、夏祭りとイルミネーションと……あとおうちデートもいいなぁ。一緒にお菓子作るのも楽しそう」



定番から季節ものまで、なんともバラエティ豊かなラインナップ。1つ冬物が紛れていたのはあえて触れないでおこう。



「盛りだくさんだね」

「全部行くのは難しいと思うけどね。でも、真彩ちゃんと一緒ならどこでも楽しいだろうからいっか」
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