甘い毒に溺れ堕ちて
見られてたんだ……。

お礼というか、もはやお詫びレベルの角度だったから、そりゃ目立つよね。



「実は、シャーペンが壊れちゃったみたいで。鉛筆使おうとしたんだけど、それも削るの忘れちゃって」

「なら、俺の使う? 鉛筆削り持ってきてるよ」



理由と内容を話すやいなや、ペンケースを取りに行った藍くん。

予想外の返答に面食らい、茉耶と目をパチクリさせる。



「はい。ちょっと年季入ってるけど、問題なく使えるから」

「あ、ありがとう……」



戻ってきた彼からミニサイズの鉛筆削りを受け取った。



「真彩ちゃんも鉛筆ユーザーだったんだ」

「うん。藍くんも、なんだね」



途切れ途切れになりながらも、早速鉛筆を削る。


中が見える半透明タイプ。

装飾の文字は一部分が消えかかっているが、削りカスが入っており、現在も使われていることがうかがえる。
< 17 / 213 >

この作品をシェア

pagetop