甘い毒に溺れ堕ちて
「珍しいね! まあちゃん以外に使ってる人初めて見たかも!」

来栖(くるす)さんは使ってないの?」

「家ではたまに使うけど、学校ではもっぱらシャーペン。削らなくて済むし、何本も買わなくていいし」

「できるだけ荷物増やしたくないもんなー」



盛り上がる2人をよそに、黙々と削っていく。


ほんと、ビックリだよね。だって色鉛筆じゃなくて普通の鉛筆なんだもん。

てっきり小学生で卒業するものだと思ってたから、珍しいとしか言いようがない。


美術部の人なら可能性はありそうだけど、藍くんも私と同じ帰宅部だし……。


時間も迫っていたので、授業で使う分だけを削った。



「ありがとう。助かりました」



削り機を返し、再度深く頭を下げた。



「何かお礼を……」

「いいよ。困った時はお互い様なんだし」

「でも……今朝……」
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