甘い毒に溺れ堕ちて
ほら、やっぱそうじゃん。


チャランポランに見えて授業態度は優等生に引けを取らない藍くんが。

遅刻の常習犯から滑り込み登校の常習犯にランクアップした藍くんが、あの時の恩を忘れるとは到底思えない。


1度でも疑いを持ってしまったことを心底後悔する。



「ごめん、疑って」

「いやいや。何か、先生にでも言われたの?」

「ううん。実は、先週の勉強会で……」



解散した後に起きた出来事を話して、意図的に距離を置いていたと告白した。……おじさんの匂いとは言いづらかったから、タバコの匂いに言い換えて、だけど。



「なるほど。確かに、健康面を考えたらあまり近づかせたくないよな」

「お父さんから服でももらったの? 貸し借りでもしてる?」

「してないよ。もらってもない」



即答し、首を横に振る藍くん。



「じゃあ……なんで? コンビニで焼き芋でも買った?」

「買ってないよ。買ってたらまずそっち突っ込まれるでしょ。多分夜──」
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