甘い毒に溺れ堕ちて
藍くんはパーカーのファスナーを開けて、「俺もこの下Tシャツだし」と胸元にワンポイントが付いたTシャツを見せた。

勉強会の時と同じくラフな格好だけれど、夏らしく爽やかな色合いでとてもオシャレ。


私はというと、ベージュの長袖シャツに濃いブルーのデニムパンツ、インナーは白の半袖Tシャツを着てきた。


デートでも、美容院デートだからね。美容師さんの負担にならない格好が最優先だから。


服装チェックを終えて、いざ出発。先導する彼の後を自転車で追う。



「おーい」



30分ほど走っていると、道路を挟んだ反対側に、こちらに向かって手を振る男性を見つけた。

彼の背後には木目調の建物があり、入口の横にはサインポールが設置されている。


横断歩道を渡り、自転車を降りて彼の元へ駆け寄る。



「いらっしゃい、藍くん」

「凌介さん、おはようございます。お久しぶりです」
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