甘い毒に溺れ堕ちて
それも、ついさっき本人の口から聞いた。


彼方さんは学費を稼ぐために。

徹平さんは、持病が悪化してフルタイムで働けなくなった父親の代わりにって。


だとしたら、藍くんも隠れてバイトしてたり……?

寝不足なのは夜遅くまで働いてて、遅刻ギリギリなのは登校前に家のお手伝いをしているから……?


じゃあ、金色にこだわる理由はなんだろう。


ダメと言うあたり、ただの憧れで染めたわけではなさそうだけど、他の色もあったはず。

茶色が似合わなかったとか……? でも、茶色も赤み系とか黄み系とか色々あるし……。ウィッグじゃダメだったのかな……。



「──ありがとうございました。またのご来店お待ちしております」



カットが終わり、会計を済ませた私たち。

砥上さんと徹平さん、彼方さんの全員に見送られて、お店を後にした。



「真彩ちゃん、スッキリしたね。似合ってるよ」

「ありがとう。藍くんも、より一層眩しさが増したね」



自転車を押し歩きながら褒め返すと、藍くんは目を細めて「えへへ、そう? ありがとう」とデレ甘スマイルを見せた。
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