甘い毒に溺れ堕ちて
カット料金は、月のお小遣いを遥かに上回る額。
メニュー表を見た瞬間、冷や汗が伝ったけれど、学割と初回割引でほぼ半額にしてもらえたため、安心して支払えた。
お父さんのおかげだな。あの臨時収入がなかったら絶対延期してたと思うし、今月も節約第一の生活だったと思う。
ありがとうお父さん。そして過去の私。
父の顔を思い浮かべて感謝を述べる。
「でも、あんなに気に入られるのは盲点だったな。自分で紹介しておいて、ちょっと後悔してる」
ワントーン下がった声でひとりごちて、弱々しく笑った藍くん。
「仕事だってわかってるけどね? だとしてもあれは触りすぎだと思う。あーもうなんなんだよ鼻歌まで歌っちゃってさぁ。俺の時は『ほんとに大丈夫?』としか言われなかったのに。いやまぁ心配するのはわかるけどね? 一発目から金にするって言われたらさ。俺もちょっと怖かったからベージュにしようかとも思ったんだけど」
「最終的には、信念を貫いた、と」
「最後の最後まで迷ったんだよ? ってか名刺もらってたよね? 裏に連絡先とか書いてあった?」
「いや。何も。藍くんも名刺持ってるの?」
「うん。来て3回目の時にもらった。初回から渡すってもう絶対惚れたじゃん。徹平さんも彼方さんも。真彩ちゃん真彩ちゃんってずーっと言ってたし」
メニュー表を見た瞬間、冷や汗が伝ったけれど、学割と初回割引でほぼ半額にしてもらえたため、安心して支払えた。
お父さんのおかげだな。あの臨時収入がなかったら絶対延期してたと思うし、今月も節約第一の生活だったと思う。
ありがとうお父さん。そして過去の私。
父の顔を思い浮かべて感謝を述べる。
「でも、あんなに気に入られるのは盲点だったな。自分で紹介しておいて、ちょっと後悔してる」
ワントーン下がった声でひとりごちて、弱々しく笑った藍くん。
「仕事だってわかってるけどね? だとしてもあれは触りすぎだと思う。あーもうなんなんだよ鼻歌まで歌っちゃってさぁ。俺の時は『ほんとに大丈夫?』としか言われなかったのに。いやまぁ心配するのはわかるけどね? 一発目から金にするって言われたらさ。俺もちょっと怖かったからベージュにしようかとも思ったんだけど」
「最終的には、信念を貫いた、と」
「最後の最後まで迷ったんだよ? ってか名刺もらってたよね? 裏に連絡先とか書いてあった?」
「いや。何も。藍くんも名刺持ってるの?」
「うん。来て3回目の時にもらった。初回から渡すってもう絶対惚れたじゃん。徹平さんも彼方さんも。真彩ちゃん真彩ちゃんってずーっと言ってたし」