甘い毒に溺れ堕ちて
突然の提案に、さらに目を丸くする。



「いいの……? 家のお手伝いもあるのに……」

「大丈夫大丈夫! 今は少し落ち着いてるから。チョコ苦手じゃなかったら」

「そう? なら……来年のバレンタインに、いいかな?」

「了解!」



一足早く約束を交わし、お互いにスマホのカレンダーアプリに打ち込む。


……良かった。いつもの藍くんだ。


今月に入ってからもモーニングコール以外の要求がないから、何かあったのかなって少し心配してたけど……。

もしかしたら、梅雨に入ったら東屋に行けなくなるのを見越して、自分で対処するようになったのかも。あくまでも憶測だけどね。



「で、話を戻して……次回のデートは、今週末を第1候補、来週が第2で、どっちもダメだったらテスト明けってことで」

「うん。なんとか説得してみるね」



嬉しいような、寂しいような。

微笑みの裏では、複雑な思いが絡み合いながら渦巻いていた。
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