甘い毒に溺れ堕ちて
高鳴りの夕暮れ
自分の性格を自覚したのは、小学校6年生の頃。

どの教科だったかは忘れてしまったのだが、『自分を知る』という授業が行われ、クラスメイト全員に自分の長所を聞いて回った。


多かった回答は、『真面目』『礼儀正しい』『頭がいい』の3つ。


1年生から毎年班長と副班長を務めていたからか、優等生の印象を持たれていた。

また、歴代の担任からも、『真彩ちゃんは気が利きますね』と褒めてもらったり、通知表も全体の8割を二重丸で評価してもらえて。


そのご褒美に、父と2人でスイーツバイキングに行って、お腹がはち切れる寸前までケーキを食べまくったのはいい思い出。


良く言えば、優等生・勤勉家。
悪く言えば、堅物・冷淡。

ジョークなんか通じない、ユーモアを交える発想すら湧かない。


そんな私が、学校の人気者からデートをおねだりされるなんて──。



「なんで私なんだろう」



翌朝。昇降口で茉耶を待ちながら、昨日の出来事を振り返る。


鉛筆が復活し、無事に4時間目を終えた後。

教室を出ようとする藍くんを捕まえ、ドラッグストアの割引券を渡したのだが……。



『ええっ! もちドラのクーポンじゃん! いいの?』
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