甘い毒に溺れ堕ちて





「──楽しみだね〜。みんなどんな服で来るかなぁ〜?」

「……体調は、大丈夫?」

「うんっ。朝から元気満タンだよ!」



窓際の席に座り、あざとい萌え袖でファイティングポーズを取る茉耶。

しばらくするとプシューと音がして、バスのドアが閉まった。



「まあちゃんは何買うの?」

「Tシャツ。ヨレヨレになってきたから、新しく買い直そうと思って」

「私も! Tシャツと、軽く羽織れる薄手の服が欲しいんだよね〜。今流行ってるシアーシャツとか〜……」



茉耶はスマホをバッグから取り出すと、「今は何が売ってるかなぁ〜?」とショッピングモール内のお店を調べ始めた。


土曜日の午後1時。今日は正真正銘、成見 藍くんとのデートの日。

本来であれば、今の時間は、バスに1人で乗っているはずだった。


なぜ茉耶が隣にいるのかというと──理由は非常にシンプル。



『──2人とも、またどこか遊びに行くの?』

『え! ショッピングモール!? いいなぁ〜! それ、私も一緒に行っていい? ちょうど私も夏服買いに行こうかなって思ってて……』
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