甘い毒に溺れ堕ちて
茉耶はキャラクターTシャツを持ったまま反対側の売り場に移動すると、シンプルなTシャツも手に取った。


明るさと温かさを連想させるオレンジ。

他は、白黒グレーのモノトーン、赤、水色、紺色など、全8色。


これだけ豊富だと、逆に迷ってしまってなかなか決められなくなりそうだけれど……。



「決めた! 両方買う!」

「おっ。思い切ったね」

「だってSサイズあとちょっとしかないんだもん。明日はお父さんとバッティングセンターだし、来週は病院行かなきゃだし。売り切れちゃったら絶対後悔すると思うから」



軽くたたんで買い物かごに入れた茉耶。

既にかごの中には、Tシャツ以外にも、サングラスとキャップが入っている。


対する私はというと……。



「まあちゃんは?」

「私はいいや」

「えええっ。欲しくないの?」

「欲しいよ。このキャラ1番好きだったし」

「なら買いなよ! プチプラだよ? チャンスだよ!」

「でも、もう買っちゃったし……」

「買っちゃったとしても! 今年も猛暑になるって言われてるんだよ? 半袖なら何枚あっても困らないって!」
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