甘い毒に溺れ堕ちて
茉耶の言い分も、一利ある。


私服登校だった小学校時代。

スカートこそは履けなかったけど、赤や黄色、緑に青と、今の私からは想像もつかないくらいカラフルな格好をしていた。

卒業アルバムにも、祖母に買ってもらった赤いカーディガンを着て写っている。



「本当に、いいの……?」

「うん」

「後悔しない?」

「……しない」



しない。してない。しちゃダメ。流されちゃダメ。だってもう高校生なんだから。


毎週色違いの服を着て登校していたあの頃はもう終わった。

クラスメイトに『まやまやシスターズ』とあだ名を付けられて喜んでいたあの頃も、もうとっくに過ぎ去ってしまったのだから。


はぁ、これだから一人っ子は……。



「やっほー」

「お買い物楽しんでますかー?」



秘かに握り拳を作っていると、鏡に映った売り場の陰から藍くんと夏目くんがひょっこり顔を出した。
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