甘い毒に溺れ堕ちて
「わわっ、来栖さんいっぱい買ってるねー」

「えへへ。なんか気づいたら溜まってた。夏目くんはもう終わったの?」

「うん! お目当てのものは買えたから。そっちは、まだ悩み中?」



そーっと静かに方向転換するも、夏目くんと目が合ってしまった。



「占部さんは買わなくていいの?」

「私は……」

「今ちょうど選んでるとこ! 私は明るい色がいいんじゃない? って言ったんだけど、黒がいいって全然聞かなくて……」



私の答えを遮ったかと思えば、ペラペラペラペラ。ついには愚痴までこぼし始めた。


あぁ、もう限界。今度こそ出てしまいそう。



「来栖さん、ちょいと待った」



舌打ちしそうになったその時、藍くんが茉耶の肩にポンと手を置いた。



「気持ちはすっごーくわかるよ。俺も明るい色着たらいいのになーって思ってたから」

「やっぱ成見くんもそう思うよね?」

「だけど、みんながみんな、必ずしも全部似合うとは限らないんだよ」
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