甘い毒に溺れ堕ちて
でも……。



「いいんだよ、自分の気持ちに素直になっても」



背中に彼の手が添えられ、優しい温もりが広がった。

慈悲深い眼差しに、心の奥に閉じ込めていた感情が一気に込み上げてくる。



「1回着てみたら?」

「っ、うんっ」



背中を押されて店内奥の試着室に入った。

羽織っていた薄手のシャツを脱ぎ、頭からかぶるように着用。

鏡を見ながら軽く髪型を整えて、外にいる藍くんに全身を見せる。



「どう、かな……?」



意を決してカーテンを開けると、一瞬目を丸くしたのち、ふにゃあと顔をほころばせた。



「いいじゃん。似合ってるよ」

「っ、そ、そう……?」

「うんっ。真彩ちゃんの良さがより引き立って見える。すっごく綺麗だよ」
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