甘い毒に溺れ堕ちて
スマホをバッグにしまうと、タタタッと走る足音が近づいてきた。



「まあちゃん、おはようっ」

「おはよう。まだ時間あるんだからそんな走らなくていいのに」

「だってまあちゃん早いんだもん。時間前でも急いじゃうよぉ」



息切れする茉耶の背中を擦って、中に入った。

下駄箱で靴を履き替え、教室……ではなく、職員室に足を運ぶ。



「誰もいないね〜。電気ついてるのに全然音しない」

「静かすぎるのも逆に落ち着かないよね」



廊下には私たち以外の人影は見当たらず、2人分の足音だけが響く。


時刻は7時20分過ぎ。

この時間は支度の真っ最中なのだが、今日は風紀委員の仕事のため、朝イチで登校した。

7時半から8時半まで、校門で生徒会の人たちと風紀チェックも兼ねた挨拶運動を行うことになっている。


職員室で鍵を受け取り、教室へ。

荷物を置いて集合場所の中庭に向かうと、既に先客がちらほらいた。
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