甘い毒に溺れ堕ちて
うざったい。関わらないで。放っておいて。

はじめはあんなにも拒絶していたのに、どうしてこんなにも惹かれてしまうのか。

頭から離れないのは、居心地の良さを感じるのは、一体どうしてなのだろうか。


ずっと不思議に思っていたけれど……ようやくわかった。


きっとそれは、彼女が俺と同じだから。


時間、労力、愛情、命、魂。

大切な人のために、自分の全てを捧げながら、懸命に生きて、生きて、生きて……。

今この瞬間も、自分を押し殺して必死に笑顔を作っているのかなと思うと、胸が張り裂けそう。


愚痴? 文句? 不満? いいよ、たくさん吐いて。君がスッキリするのならいくらでも付き合う。

君が安心できるのなら、どんなに八つ当たりされたって大丈夫。


俺がいつも、君の隣で癒されているように。

俺の存在が、君にとって心安らげる場所になれたらなと思っている。


だけど──。



「家族かぁ……」



孤立無援だとしても、家に帰れば、「おかえり」と迎えてくれる人がいる。そこは、ちょっぴり羨ましい。

まぁ、結局はないものねだりなのだけど。
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