甘い毒に溺れ堕ちて
指を差して尋ねると、いそいそとビニール袋の結び目をほどき始めた。

お菓子か何かでも持ってきたのだろうか。



「余ってたから、さっきまた折っちゃったの」



袋から出てきたのは、またしても折り紙のカエル。

しかし、お土産でもらったものとは違う色で──。



「良かったらもらって」

「い、いいんですか?」

「ええ! 虎珀にもあげようとしたんだけど、『俺は2匹で充分だから』って、断られちゃったから」



目を見開く俺の手を、彼女が両手ですくい取った。

手のひらに、ちょこんと、1匹乗せられる。



「ありがとう、ございます……」

「いえいえ! どういたしまして!」



声が震えながらもお礼を言うと、華子さんは鼻歌を歌いながら去っていった。

ドアを閉め、そっと目を瞑って上を向く。


期待するな。期待するな。

これは偶然。ただの善意だ。早まるな。


目頭の熱が冷めるのを待って、藍色のカエルを机の上に置き、日誌に再度書き足した。
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